★第40回JLBCクイーンズオープンプリンスカップ 松尾 星伽、笑顔の初優勝・初タイトル!
毎年ドラマティックな名勝負が生まれるJLBCクイーンズオープンプリンスカップ。今年も予選を経て選抜された96名による決勝トーナメントでは、大会史上に残る白熱した戦いが繰り広げられました。 決勝トーナメントAゾーンでは、寺下 智香が”絶対女王”松永 裕美と姫路 麗を次々と撃破。さらにこちらも実力には定評のある川口富美恵を下すも、まだ優勝経験のない鶴井 亜南に倒されるという大番狂わせに場内では歓声と悲鳴が巻き起こりました。 Bゾーンでは4回戦1ゲーム目に山田 弥佳がパーフェクトを達成したものの、対戦相手の霜出 佳奈が2Gトータルで10ピン差を付けて逃げ切り勝利。そんな霜出も坂本 かやとの同期対決を制して勝ち上がって来た大嶋 有香に18ピン差で敗れるという、見応えあるゲーム展開で場内を沸かせました。 鶴井と大嶋のレフティ2人、そして右投げの岸田 有加と松尾 星伽ら4名が出揃い、まず4名で1Gを投球する準決勝シュートアウトが開始します。 4名ともにレギュラーツアーは優勝未経験。唯一新人戦タイトルホルダーであり、4名の中で最年長の岸田は、ここ数年低迷が続いていただけに何としてもここで優勝が欲しいところでしたが、出足からストライクが決まらず、カウントも奮いません。さらに手痛いオープンフレームが響き、早々に脱落してしまいましたが、復調の兆しが見えてきただけに次戦、そして来年に期待が持たれます。 そんな岸田と対照的に好調の鶴井は3フレーム目から6連続ストライクを決めてトップを独走。優勝決定戦への最後の切符を賭けて、松尾と大嶋が一騎打ち状態に。中盤まで大嶋優勢でしたが、ボールをチェンジした松尾が7フレーム目から5連続ストライクに成功して逆転、鶴井との頂上決戦に進みます。 大嶋も松尾と同期ですが、松尾は決勝トーナメント4回戦でも同期の小池 沙紀と対戦しており、ここで小池を倒せたことが松尾の大きなターニングポイントとなったのではないでしょうか。 というのも、49期のプロテストを実技2位で合格した松尾にとって、トップ合格者であり、新人戦で初優勝を挙げた小池は常に一歩先を行く存在でした。年齢も近いだけに「負けたくないライバル」と考えるのも当然のこと。そんな好敵手を直接対決で倒したことが、松尾のなかで大きな自信に繋がったと考えて不思議はありません。 しかし優勝を賭けて戦う鶴井もまた容易い相手ではなく、滑り出しはスペアとしたものの、2フレーム目から5連続ストライクに成功。ターキースタートの松尾も一歩も退かず、中盤まで両者ほぼ互角のペースで進みます。 ところがゲームも終盤に入った7フレーム目、一転して鶴井にストライクが決まりません。 今年の宮崎で対戦相手のミスに攻めきれず、自分も同じフレームをオープンにしてしまい、2位に終わった口惜しさを忘れていなかった松尾は、ここで「勝てる時に勝っておかなければ」と自分を奮い起こします。畳みかけるようにストライクを繋ぎ、とうとう8連続ストライク、オールウェーを決めて278ピンで終了。パンチアウトで追いすがる鶴井を引き離しての優勝となりました。 明日12月10日が24歳の誕生日という松尾、初優勝・初タイトルという、嬉しい嬉しいバースデープレゼントを自分の力でもぎ取りました! プリンスカップを終えて控える今年最後の大一番、全日本女子プロボウリング選手権大会は新たなるヒロインが誕生するか、それとも絶対女王達が黙ってはいないか。どうぞお楽しみにお待ち下さい!